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2006年 NANTEN-2 作業報告
公開:2006年6月5日
2006/4/17日本発から同年5/16日本着の日程でチリ共和国のアタカマ高地でおこなってきた作業について写真を交えて簡単に紹介します
チリでの生活の様子を覗いてみたい方はこちら
前回のチリにおける作業はこちら
今回現地で行った作業は以下の通りです
主鏡面の精度測定
EL軸のギアボックスチェック及びギア部分のグリスアップ
ドームメンテナンス(前回からの積み残し分)
ドイツテストレシーバー搭載お手伝い
発電機小屋の排気・排熱ダクトの設置
今回の作業で望遠鏡整備やドームの整備については殆ど終了しました。
唯一、ドームの雨漏り対策が残っていますが、これはそれほど難しいことではないので(危険は伴いますが)とりあえずは終了とみなして良いのではと思っています。
ラスカル(近くの火山)が噴煙を上げました
一緒に写っているのは国立天文台のASTEです
主鏡面の精度測定
前回、三菱電機が行ったフォトグラメトリーの測定結果を名古屋側でも検証するため機械的な測定を行った。原始的ではあるが最も信頼の置ける測定方法である。
最初はフォトグラメトリーの結果から測定箇所を決めていたが、レバーインジケーターの貼り付けが場所によっては非常に困難なこと、測定した結果により実際の様子が理解されてくることから、測定した結果を踏まえつつ逐次必要な測定箇所を検討しながら進める方針へと変更しておこなった。
レバーインジケーターの可変域の中心あたりにレバーが来るように調整し、両面テープで測定箇所に貼り付ける。副鏡固定部分にデジカメを取り付けPCにより撮影を行う。
このデジカメを取り付ける前は小型の鏡を使ったり危険な位置に脚立を立てて覗き込んだりして読んだりしたがEL角が45°を超えると読み取りが不可能であり、デジカメを使う方法をサポートしてくれたラバヌスさん(ケルン大)には大感謝でした。
測定器取り付け作業
デジカメにより撮影
カメラが無いと・・・・・
お茶目なラバヌスさん
EL軸のギアボックスチェック及びギア部分のグリスアップ
EL軸のギアボックスチェックをオイルドレンから少量抜き取りオイルの粘度と色を確認しました。私の見立てでは問題なしだったので今回はギヤボックスのオイル交換はしないこととしました。
EL軸の歯車部分は安全のため各部にカバーがされているので、真っ黒になりながら全てのカバーを取り外し、以前のグリースを出来る限り除去し、新たなグリースを塗布しました。
これまでAZ軸、EL軸共にオープンギアとのことで二硫化モリブデン入りのグリスを使用していましたが、AZ軸は前回より、EL軸は今回より二硫化モリブデンが添加されていない極圧用のグリースに交換しました。その代わりに付着力の強力な極圧添加剤をこちらで少量グリスに添加し使用しています。
グリスアップと共にスパーギアが片当りを起こしていないか確認をしてこの作業は終了しました。
オイルドレン部分
EL軸ギア部分
カバーを外してアクセス
ドームメンテナンス(前回からの積み残し分)
前回のドームメンテナンスでは時間切れで上部のスリットとゴア幕のレール部分までは手が回りませんでした。今回現地のスタッフであるルイスさんと共にグリスアップと点検を行いました。
これ以外には前回メンテナンスした部分のチェックと雨漏り部分の簡単な探索をしました。
レール部グリスアップ
ルイス寒くないのか!
ドイツテストレシーバー搭載お手伝い
この仕事に技術は不要、力技のみでした。200kg程度のものを息つく暇も無く次々と吊り上げ、キャビン内に運び込むドイツグループは怒涛の2週間を過ごして風の様に去っていきました。彼らの勢いに唖然とさせられてしまいました。
この怒涛の積み込み後は足の踏み場もないほど機器で埋め尽くされました。それにしてもドイツグループのレシーバー関係は整然とまとまっておりきれいの一言に尽きました。
冷凍機コンプレッサー
釣り込み
バックエンド装置
釣り込み
ファーストライト
足の踏み場もない
発電機小屋の排気・排熱ダクトの設置
これはなかなかの芸術品です。掲載した写真からはわかりませんが、この大きなダクトの中に折れ曲がった形状の排気管が入っています。なので全部で4本の管形状から出来ています。
私が帰国した後、このダクトの蓋も製作して取り付けたそうです。
ルイスさん、溶接面なしで溶接するのは目に悪いのでやめようね。私からのお願いです。
ダクト製作風景
ダクト設置
結構重いダクト
設置完了
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