理学部技術研修委員会
研修委員会および編集委員会は技術部の技術職員が企画から運営まで行い、編集委員会においては、教官委員を加えて技術論文、ノートの校正および添削等の査読を担当していただいている。
委 員 長 技術部運営委員会より1名
技官委員 各班から1名
教官委員 装置開発班運営委員会から1名
研究機器開発班技術委員会から1名
現在毎年夏に開催されている、理学部技術研修会は、1986年に理学部物理学科技術委員会において、「各研究グループの研究内容とその中で利用されている技術、さらには将来必要になるであろう技術について研究者からも報告する」という方式を創りあげた。以後研修会は教官とペアで報告するスタイルを基本とし、1992年技 術部発足以降も技術部主催で毎年開催してきた。
その内容はそれぞれ
「工作室ニュース」 (1985-1987)
「技術研修企画記録」 (1986-1988)
「装置と技術」 (1988-1989)
「理学部技術研修報告集」 (1989)
「名古屋大学理学部技術報告」(1990-2001)
に収めてきた。
理学部は1996年に大学院が重点化され、理学部技術部も「理学部・理学研究科・多元数理研究科等技術部」と名を替え、複数部局の技術支援を担当するようになった。この技術部を取り巻く外部環境がかわる中で、その変化に対応してゆくための、技術支援のありかたを、研修の改革も含めて論議してきた。以下に研修の目標、その成果について述べる。
1.研修の目標
- 技術そのものの向上
- 研究者の技術要請を理解する力を向上させること
2.研修の成果
理学部研修でまとめて発表することにより、研究プロジェクトの中での責任を果たすことができるようになった。
理学部研修は日常業務としての技術開発、改善等を明らかにし、まとめあげて発表する形式を取っている。この重点化後5年間には研究分野においても、独創的、先端的研究に競争的研究費が投入され、高度な装置性能を持つ測定分析機器が購入されるようになってきた。
装置製作面においても精密工作旋盤、マシニングセンター、NC旋盤の導入等で環境を整備し、このような努力の積み重ねは、今日の全国規模の大学・研究機関が開催する技術研究会における理学部技術職員の発表件数の増加となって現れている。
これは理学部研修会が一定の役割を果たしていることを示すものである。
この「理学部研修会」では、技術発表の外に技術部の当面の課題について特別講演などを企画してきた。
以下
1999年 シンポジウム「技術部の来し方、行く末」
2000年 特別講演 「特許について」
2001年 特別講演 「大学における起業の現状と課題」
3.課 題
新規採用の技術職員が確保されないことは、技術部の存立および継承に深刻な影響を与えている。技術の継承には長い訓練時間を要し、その獲得した技術の教育指導は部分的に、学生、教官に対して行われ、他の技術職員が総合的に知り、修得する機会 は少なく、技術が継承されず途切れることになる。
理学部技術研修も、従来の発表形式に加えて、新しい技術分野の基礎知識を得るための企画が必要である。また、従来以上の多数の研究者等が参加できるよう、研修会の内容を再考する時期であると考えられる。
理学部技術研修における発表状況
班名\年度 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 |
装置開発班 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 |
研究機器開発班 | 3 | 1 | 1 | 1 | 3 |
極限基礎技術班 | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 |
極限分析技術班 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
自然情報技術班 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 |