各種研究会・研修会




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名古屋大学理学部技術研究会


1、開催の目的

 1997年2月に開催された「名古屋大学理学部技術研究会」は科学技術の急速かつ高度な発展の下で、大学研究所における技術者の果たす役割が重視されつつある情勢を踏まえ、より高度で実践的な経験に接する機会を与え、技術者に向上心を喚起するとともに技術の向上を計ることを目的として開催された。

2、開催に至った背景

 大学、研究所の理工系部門の技術者を対象とした技術研究会は分子科学研究所、核融合科学研究所、高エネルギ物理学研究所の三研究所が輪番で開催する技術研究会であったが。1993年頃から技術研究会に参加する有志の話し合いで研究会を三研究所のみで開催するだけではなく、大学で開催すること可能か話し合われてきた。一方理学部技術職員が三研究所技術研究会にどのように関わってきたか調査がなされ、(名古屋大学理学部技術報告 VOL.5 1994)この研究会において発表件数に対する理学部 技術職員の占める割合は、工作技術(装置開発)分科会では20%、であり理学部技術職員がこの分野では積極的な役割を果たしていることが明らかとなった。
 このような背景の中で理学部技術部では装置開発技術分野に関して全国の大学、研究所の技術職員を対象に技術研究会を開催することとした。

3、実施状況と成果

 実施に当たっては実行委員会を中心に技術部全員の協力によって、全国の大学及び研究所等から155名が参加、発表内容は機械工作系とガラス工作系に別れ、機械工作系21件、ガラス工作系7件合計28件で盛大に研究会を開催することができた。発表内容は研究施設の維持・運転・整備から独自の工夫・開発、大学院生向けの学生実習に至るまで様々で広範囲の分野に携わっている大学及び研究所の技術者の実態を反映した内容であった。
 技術研究会には様々な役割があるが、その一つに技術の継承がある。科学技術の発展には技術者一人一人が独創的なアイデアを出すことは言うまでもないが、技術を広く公表し継承していくことが重要である、この技術研究は頭書の目的を達成すると共に、技術の継承発展にとって有意義な研究会であった。さらに、小規模な技術組織であっても全国の大学・研究所の技術職員を対象とした技術研究会を開催することが可能であることを示した。


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東京大学地震研究所技官研修会


                地震火山観測地域研究センター 山田 守

 これは地震研究所内の親睦と各観測所の見学をかねて行われていたものを、十数年前より各施設見学(他省庁のものも含む)と教官の講義を受け2泊3日(実質は2日)の研修を始めた。それに伴い全国の関係大学にも案内がされ交通費等は各大学持ちで参加できるようになった。
 その後研修の内容は毎回変更になるなど、よりよい研修になるよう試行錯誤をしている状況である。特に名古屋大学の本部研修や理学部の研修の情報はよく調べられており、随所にその検討の後が伺える内容となっている。
 たとえば教官主導の研修で、その内容もほとんどが教官による講義が中心であったが、ここ数年は研修委員会を作り、技官の代表者がほぼ研修を指導している。その内容も地震研究所の技官が自分の研究や仕事について発表していた。その後各大学の技官にも発表できるようになり、なおかつ発表者には2泊3日の旅費も支給されるようになった。
 また、研修は自分であせを流して行うもの言うことで課題図書が与えられて行われ た特別講演「失敗学−実習付き」(作文させられる)や実技講習などが行われるよう になった。

平成12年度 (7月5、6、7日)
 2泊3日、実質2日(1日目午前中に集合、3日午後解散)
    研修参加者37名(他大学7名)
     1,所外研修「建設省国土地理院地殻変動監視業務の最前線を見る」(1日目)
     2,技術発表会 (2、3日目)
       23件の報告が合った(他大学は4件)。
       特別講演「有珠山噴火に対する地震研の対応」 中田地震研究所教授

平成13年度 (7月4、5、6日)
 2泊3日、実質2日(1日目午前中に集合、3日午後解散)
    研修参加者34名(他大学8名)
     1,技術発表会 (1、2日目午前中、3日目)
       15件の報告が合った(他大学は3件)
       特別講演「失敗学−実習付き」 大久保地震研究所教授
     2,実技講習
       地震観測、測地観測、情報処理、機械工作、電気回路の各コースあり。
       事前に受けたいコースの申し込みがあったが希望のコースを受けられたのはなぜか数人しかいなかった。
       (私も全然予定していなかった電気回路でした)。
       なお、技術発表会の聴講は自由で毎回50−60名の方が参加されていた。


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岡崎基礎生物科学研究所 生物学技術研究会


 生物系の技官の全国的な研究会で、毎年1回、2月に開催されている。生物系の技官の業務内容は生物飼育から機器分析、遺伝子操作、放射性同位元素の管理など非常に広範である。それらに携わる技官が一同に会する研究会である。


ガラス技術研究会


 1996年に、名古屋大学理学部がラス工作室の呼び掛けで、全国国立機関に勤務するガラス工作技術者約70名の名簿を作成した。同年文部省直轄研の技術研究会が、名古屋大学理学部技術部主催で装置開発分科会が行われ、金属工作技術研究会とは別にガラス技術研究会を分科会として開催した。
 その後、1997年に大阪大学産業科学研究所、1999年岡崎国立共同研究機構分子科学研究所、2001年東北大学で開催した。2003年に富山大学で開催することが確認されている。日常の連絡や技術的交流はメールを最大限利用して意見交換している。当技術部の野田敏昭を会長とし、東北大学に事務局を設置しガラス技術者の技術交流や親睦を深めている。


日本岩石鉱物特殊技術研究会


 全国の薄片技術者が技術の向上を目指し、技術者が日常の技術業務のなかで工夫やアイデア等を発表する場を設けている。また、発表内容は技術論文として2年に一度「地殻」を発行している。研究会の歴史は古く1958年から毎年開催している。今年で第44回の大会を数える。会員数は現在(大学関係16名・民間企業7名・退官、退職されたOB8名)31名です。定員削減で会員の減少が進んでいて、薄片技術の継承が非常に困難な状況にある。


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低温技術ミニ研究会


 全国の国立大学・共同利用研究機関において、液化ヘリウム、液化窒素など極低温寒剤を製造し取り扱う業務に当たる技術職員が、技術的な問題を議論し交流しあう研究会であり、平成10年度(h11.3.18-19)に第1回が岡崎市の分子科学研究所で開催された。以降第2回の平成12年度(h13.2.8-9)は千葉県柏市の物性研究所、第3回は平成13年度(h13.12.13-14)分子科学研究所で開催されてきている。これには極低温実験室2名の技術職員が毎回参加している。


国立大学臨海臨湖実験所技官研修会議


 国立大学に所属する臨海・臨湖実験所・センターは、全国に22を数える。これらの実験所に所属する技官が集まり、業務上に関する種々の情報を交換しあう為、各実験所持ち回りで、毎年1回、国立大学臨海臨湖実験所技官研修会議を開催している。研修会議では、研究・実験生物の採集方法、激減している生物についての将来の展望、飼育方法・恒温設備の討議、船舶の安全運行、海水供給設備・海水濾過等についての活発な質疑応答がなされ、収穫は非常に大きい。この研修会議の有益性については関係者の間で認められている。技官自身が他所の実験所の施設・設備・船舶を見学し、実際に操作し、仕事の内情を知ることは大変参考になる。


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