第二装置開発室の測定基準器

最新更新:2007年2月8日 by Kawai

 長さや角度を測定するには、三次元測定器で実現できますが、三次元測定器が本当に合っているかどうかを調べるためには、長さ基準や角度の基準となるものが必要です。これを測定基準器といい、工作機械の送り精度測定や三次元測定器の精度測定、マイクロメータの校正など、機械加工の制度を保障するための「原器」に相当します。

 ここでは第二装置開発室で備えている測定基準器を紹介します。


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ブロックゲージ


 ブロックゲージは1mmベースで、リファレンス用0.001ピッチ、汎用0.01ピッチの2種類持っています。

 ブロックゲージを使うときは前の日から使う場所にブロックゲージやその他の工具を移し、作業する部屋の温度に馴染ませます。

 高精度の測定では、ブロックゲージを直接手で触らないように手袋を着用し、室温と熱膨張係数の関係を掌握して温度差による誤差を確認しておきます。

 ブロックゲージで長さや高さやの標準を作るときは、アクセサリーキットを併用すると便利です。

汎用ブロックゲージ0.01mmシリーズ


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ブロックゲージアクセサリ


 ブロックゲージアクセサリはブロックゲージを使って高さ標準や長さ標準を作るための道具類をまとめたものです。セットの中には三角型ナイフエッジやオプティカルパラレルなどブロックゲージを使った測定で必要なものが入っているのでとても便利です。

 写真はブロックゲージとアクセサリで高精度の高さ標準を作ったものです。ダイヤルゲージの測定子を当てて、相互の差を見ることにより、測定できなかった部分の高さがミクロンオーダーで測定できます。

アクセサリブロックゲージとアクセサリによる高さ標準


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ストレートエッジ


 ストレートエッジは文字通り直線の基準です。

 第二装置開発室にはIビーム型ストレートエッジの600mmと2000mmがあります。

 ストレートエッジとダイヤルゲージを使って、工作機械などの直線運動の精度を測定することができます。


ストレートエッジ直線案内機構の精度測定


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チェックマスタ


 チェックマスタは工作機械の送り精度や三次元測定器の精度測定に用います。

 丁度同じ厚さのブロックゲージを重ねた構造になっています。

チェックマスタ


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直角マスタ


 直角マスタは4方直角の完全な基準測定器で、工作機械の直交精度を測定するのに用います。

 一般的に直角を見るにはスコヤを用います。

直角マスタスコヤ


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サインバー


 サインバーはブロックゲージと組み合わせて使うと極めて正確な角度や傾斜を測定できます。

 サインバーの原理を使って、ジグとして用いるタイプのものもあるので、ミーリングバイスとの組み合わせで傾斜角度のある面の加工を行うことが出来ます。

 傾斜バイスの角度を確認するためにサインバーを用いると、極めて高い精度の角度を持つ面の加工を行うことが出来ます。

サインバージグ用サインバーミーリングバイス用サインバー

 サインバーの原理は簡単なので応用範囲は広く、装置の角度を調整する機構として組み込むことも出来ます。市販の測定装置にも応用してあるのをときおり見かけますが、再現精度の高い回転機構としてよく機能しています。


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