CCD検出器用ヘリコイドの改造
ヘリコイドによってCCD検出器と光源との距離を調整します。このとき、各々の装置の光源と検出器の位置をかどると、中間にあるヘリコイドの長さ(厚さ)が不適当でした。
光学系の経路を長くする事は簡単ですが、短くする事は一般的には不可能です。今回は、総合的な厚みを約10mmほど縮めてほしいと、O研から要請されました。そこで、ヘリコイドを分解して各部品を旋盤等で加工することによって、実現する事としました。
内部はアルミ製(黒アルマイト処理)で、ヘリコイドのねじはピッチ1mmでした。回転止めのピンや抜け落ち防止のプラスチックリングなど、各所に高い精度が要求されますが、動く装置なので各部のクリアランスをどのように配分するかが問題です。
これは、重要な部分の部品の寸法をカット&トライすることによって調整しました。このような場合は、一方のみ削ると部品の内部応力のバランスが崩れ、変形するので、必ず両側をほぼ同じ寸法づつ削るようにした。
新たにCCD検出器とのマッチングをとるためのフランジを真鍮で造りました。下の写真では真鍮の色が出ているので容易にそれと分かるでしょう。
結果的には、最小62mmあったものを最小50mmまで縮めました。総合的な組み立てを終えた段階で、改造前よりヘリコイドの動きが硬くなりましたが、これは変形によるこじりというよりは、グリスの粘性が硬いために渋くなったと考えられます。
ヘリコイドを分解した画像です。白い部分が追加工した部分です。
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