教養ゼミ用ドブソニアン天体望遠鏡を紹介します

更新記録:2006年4月3日初公開、4月6日写真を追加


 教養ゼミで磨いた150mmの凹面鏡を使ったドブソニアンタイプの天体望遠鏡(第一号)を作りました。

 ドブソニアン式望遠鏡は簡単なニュートン式鏡筒と経緯台をもつ最も簡素な天体望遠鏡です。この方式はアマチュアの大口径反射望遠鏡としておなじみのもので、キットも販売されています。
 今回は、物理の佐藤修二さんの教養ゼミで取り組んだ「反射鏡を磨こう!」で完成した鏡を、望遠鏡として機能させるためのものです。  主鏡が手作りなので、他の部分の極力手作りの味をだそうと設計を考え、最終的には「組み立てキット」にもできるようにしたいと考えて設計を進め、今回の試験観測(3月17日夜)に合わせて作りました。
 残念ながら、観測に持っていった主鏡の焦点距離が短く、当初の設計と違ってしまったので、名古屋に帰ってから広い範囲の焦点距離にあわせられるよう改造し、高軸とうの微調整を行った結果、どうやら望遠鏡らしくなりました。
 まだ細かいところに不満があるので、使いやすい「組み立てキット」になるようマイナーチェンジしていきたいと思います。

完成したドブソニアン望遠鏡

 教養ゼミの時間、一生懸命ガラスを磨る1年生たちです。見本を見せようと物理Z研の院生も参加、このような作業ができる場所は今後確保できない可能性が高く、続けられないのは残念です。  とにかく何でもいいから凹面鏡を作って、星が見えるかどうか、試してみたい・・・という非常に素朴な取り組みですが、この中には様々な教育的効果を秘めているのではないでしょうか。
 かがみ磨きは単純ですが奥が深い工作です。うまく行った人のを見て真似たり、その人に聞いたり、あるいは教えたり・・・・。こうしたことがごく自然に出てくるのは、みな同じ目的をもち、夫々の人が「星を見る」という結果をワクワクしながら望みつつ、悪戦苦闘しているからでしょう。

手磨りによるガラスの研磨

 鏡の研磨が完成したら、簡易鏡筒(ドブソニアンタイプ)に入れて天体観測をしようということで、3月17日夜に観測会を行いました。残念ながら完成した鏡は無かったので、市販の望遠鏡で星空散歩となりました。
 観測会の会場は、設楽町にある農学部のフィールド教育研究支援センターです。ここは宿泊施設も完備しており、周囲も十分暗いので、星空観測にはもってこいの場所です。

 設楽フィールドを紹介します。
 最初はセンターの建物です。ここにはゼミ室、宿泊室、捕食室、お風呂など完備しています。
 次に、周囲の風景です。のどかなところです。

設楽フィールドの建物です

周囲の風景です

 観測会を始める前に、望遠鏡の仕組みについて、簡単にレクチャーしました。完成すればニュートン式になるので、ニュートン反射式望遠鏡3台を用意しました。  夜が更けて外に出ると、冬の星座の代表であるオリオン座はすでに西に傾き、しし座が天頂を巡っていました。スバル星団は設楽フィールド建物の上に見えていて、土星が見ごろな位置にありました。  好天にも恵まれ、土星、オリオン座大星雲、球状星団、散開星団、二重星、惑星状星雲、系外銀河、木星・・・と、時間を忘れてみていきました。

望遠鏡の仕組みについてレクチャーニュートン式望遠鏡3台による星空散歩です