リンゴの皮をむくという動作を考えたとき、右利きの人は左手にリンゴ、右手にナイフを持ち、左手でリンゴを回転させ右手でナイフの角度を調節しながら皮をむきます。 旋盤はこれと同じで、工作物(リンゴに相当)を回転させバイト(ナイフに相当)を移動することにより切削する(削り取る)機械です。バイトとは旋盤で切削に使用する刃物のことをいいます。 この画像は旋盤でステンレス鋼の丸棒を切削加工している様子です。このように、材料を回転させて、刃物台に取り付けたバイトを動かす(後の項で解説します)ことによって加工します。 |
スクロールチャック(内爪) | スクロールチャック(外爪) | 四つ爪(単動)チャック | コレットチャック |
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1)主軸回転数 主軸の回転数は、切削速度、使用するバイトの材質や形状、加工する材料の材質、加工方法により決定します。 切削速度とは、切削している部分の周速度(この場合刃先と材料の相対速度)のことをいいます。 主軸回転数と切削速度の関係は以下の式で表されます。 N=1000V/(πD) N:主軸回転数(rpm) V:切削速度(m/min) D:工作物の直径(mm) 具体的な切削速度は、機械工作便覧などに示されています。しかしこの値は生産効率を上げることを追求したデータです。金工室で加工を行う場合には、生産効率より安全を優先するため、半分程度の切削速度を適用します。また最高回転数は1000rpm以下で使用してください。 ハイスのバイトでステンレス(SUS)・銅(Cu)を切削する場合の切削速度はV=25(m/min)、アルミ(Al)・黄銅(BS)の切削速度はV=50(m/min)として、式3-1から回転数を求めます。求めた値を表3-1に示します。 例えば外径80mmのSUSを切削する場合、表3-1より100rpmとなります。もし旋盤の回転数に100rpmがない場合は、その回転数より低い側の回転数で近い値を選択します。 ねじ切り加工、突切り加工、Oリング溝加工、へールバイト(図 バイトの種類参照)による加工の場合はこの値の半分以下にしなければなりません。 |
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